楽しく読める!ヒトラーの『我が闘争』2
Ⅰ民族主義的世界観
第一章 生家にて
【生家にて】
今日私は、イン河畔のブラウナウが、まさしく私の誕生の地となった運命を、幸運なさだめだと考えている。というのは、この小さな町は、二つのドイツ人の国家の境に位置しており、少なくとも両国家の再合併こそ、我々青年が、いかなる手段をもってしても実現しなければならない人生の事業であると考えられるからだ!
ドイツ・オーストリアは、母国大ドイツに復帰しなければならない。しかもそれは何らかの経済的考えによるものではない。そうだ、そうだ。例えこの合併が、経済的に考えて重要なことでなくても、むしろそれが有害でさえあっても、なおかつこの合併はなされなければならない。
(ブロガー解説)
ヒトラーはオーストリアのブラウナウという地域で生まれた。ヒトラーはドイツの独裁者というイメージが大きいあまり、ヒトラーはドイツ生まれだと勘違いする人も多いだろう。
このドイツとオーストリアは両国ともドイツ人が生活している国である。
詳しい説明は割愛するが、なんだかんだあって、同じドイツ人でありながら違う国に住まなければいけないという状態にあった。
当時、ヒトラーだけではなく、多くのドイツ人は両国家が1つの国になることを望んでいた。しかし、第一次世界大戦後、ドイツの復興を阻止しようとした連合国は、ドイツとオーストリアの合併を禁止する条約を締結した。
ヒトラーがドイツとオーストリアは合併すべきだという考えは、収容所に収監された時の考えであり、幼いころから考えていたかは定かではない。
「ドイツ・オーストリアは、母国大ドイツに復帰しなければならない。」という言葉には二つの考え方がある。
1つ目は「オーストリアはドイツの物なのだから、偉大なる大ドイツに合併されよ!」という考え方だ。つまりドイツが主点の考え方だ。
2つ目は「ドイツとオーストリアは合併して、一緒に偉大なる大ドイツになるのだ!」
という考え方だ。つまり大ドイツを共に建国しようという考え方だ。
文章の視点から見ると、1つ目の解釈が合っているように感じる。
しかし、ヒトラーの視点から見ると、2つ目の解釈が合っているようにも感じる。
読者の方は、どちらの考え方に共感するのだろうか?
【参考文献】
『我が闘争(上)Ⅰ民族主義的世界観』アドルフ・ヒトラー(平野一郎・将積茂 訳)
平成10年出版、角川書店(文庫)22ページ